ネットの批判まとめ記事やSNSのタイムラインでどれほど「うるさい」「見たくない」と叩かれても、民放各局が彼女たちを重宝し続ける背景には、現場の合理性と構造的な需要があります。テレビディレクターや放送作家への取材から見えてきたのは、視聴者の感覚とは対照的な「制作現場の切実な計算」です。
第一の要因は、「デッドエア(無音状態)への恐怖」です。現代のテレビ制作現場では、数秒の静寂やトークの淀みが「視聴者の即座なチャンネル変更」に直結すると恐れられています。声が大きくレスポンスの早い女性タレントがひな壇に1人いるだけで、会話の間が完全に埋まり、編集でカットを繋ぐ手間が大幅に削減されます。ディレクターにとって、「黙り込む優秀な美女」よりも「的外れでも声を張り続けるタレント」の方が、はるかに使い勝手が良いのが現実です。
第二に、「番組MCのエネルギー消費を抑える役割」があります。大御所MCや売れっ子芸人が司会を務める番組では、MC自らが一人ひとりに話を振って盛り上げるのには限界があります。「勝手に騒ぎ、勝手にツッコミ待ちの状態を作ってくれる」タレントは、MCにとって労力をかけずに笑いを生み出せる格好の触媒です。現場関係者の証言によると、「あの人がいると収録が予定時間より30分早く終わる」という理由で、キャスティング会議の優先リストに入るケースも珍しくありません。
さらに見逃せないのが、「タイパ重視の編集フォーマット」との親和性です。テロップや効果音が画面を埋め尽くす現代のバラエティにおいて、感情表現が平坦なタレントは編集スタッフにとって素材として扱いにくい存在です。大きなリアクションや明確なリアクション音声は、効果的なSEや巨大テロップを乗せるための「格好の目印」として機能しています。