どんなにテレビや映画の超大作で引っ張りだこになろうとも、彼が決して手放さない場所がある。1990年に結成された「劇団カムカムミニキーナ」だ。劇団の看板役者として、結成から30年以上が経過した今もなお汗を流し、小劇場の生の舞台に立ち続けている。
観客の吐息や熱気がダイレクトに伝わる劇場空間こそが、彼の表現者としての筋肉を鍛え上げるトレーニングジムなのだ。編集もやり直しもない空間で、声と身体一つで何千人もの観客を釘付けにする。その泥臭い舞台経験があるからこそ、カメラの前で見せる一瞬の表情に凄まじい奥行きが生まれる。