鈴木亜美の芸能界入りのきっかけとなったのは、テレビ東京系で放送されていた伝説的オーディション番組『ASAYAN』の「ボーカルオーディションFinal」でした。当時、神奈川県内の高校に通う16歳の普通の女子高生だった彼女は、友人とカラオケを楽しむ日常から一変、全国から集まった1万3,500人を超える応募者の頂点を目指す戦いに身を投じることになります。
当時の特番インタビューや回顧録によると、オーディションへ応募した動機は「歌手になりたいという強い憧れと、自分の可能性を試したいという純粋な好奇心」でした。特別なボーカルレッスン歴や芸能活動の経験がなかったにもかかわらず、審査員の目を釘付けにしたのは、カメラ越しでも際立つ圧倒的な透明感と、屈託のない笑顔でした。
最終選考では、視聴者による電話投票(テレゴング)が実施され、鈴木亜美は約30万票(28万7,000票以上)という前代未聞の支持を獲得して見事1位に輝きました。プロデューサーの小室哲哉は彼女の持つ「時代の空気を瞬時に吸い込む素直な声質と天性の愛嬌」を高く評価し、即座に楽曲制作とプロモーションの青写真を描き始めました。飾らない素顔を持った16歳の少女が、一夜にして全国区のシンデレラガールへと変貌を遂げた瞬間でした。