気象の変容は、青森が世界に誇る基幹産業・農業にも深い影を落としている。日本一の生産量を誇る「青森りんご」の園地では、冬から春にかけての不自然な高気温が樹木の休眠打破を早め、その直後に襲来する晩春の霜や急激な冷え込みによって花芽が被害を受ける事例が相次いでいる。
「半世紀りんごを作ってきたが、これほど天気の先が読めない年は記憶にない」と地元農家は明かす。気象観測データの高解像度化に合わせ、被覆資材の導入や散水氷結法のタイミングを分単位で調整するなど、現場では気候変動との終わりなき知恵比べが続いている。