スタジオの赤灯が点灯する瞬間、緊張感と独特の温もりが空間を満たす。数多の番組を担当し、昭和・平成・令和という三つの時代を跨いでマイクを握り続けてきた経験は、一朝一夕に得られるものではない。ラジオが娯楽の主役であった時代から、インターネットラジオや見逃し配信、オンデマンド音声が主流となった現在に至るまで、その存在感はかすむどころか増すばかりだ。
特に近年は、若年層の間でレトロカルチャーとしてのラジオや、ながら聴きコンテンツの人気が再燃している。そうした若者たちが「radiko」やポッドキャストを通じて偶然出会い、その巧みな話術に魅了されるケースも珍しくない。時代が変わっても、人の心に響く「声の力」の根幹は揺るがないことを、彼女の仕事ぶりは何よりも雄弁に物語っている。