麺類を食べる際、私たちは無意識のうちに「吸気(息を吸う)」と「嚥下(飲み込む)」という相反する運動を連続して行っています。耳鼻咽喉科や呼吸器の専門知見に基づいた最新情報によると、麺を勢いよくすする動作は、口腔内に強い陰圧を発生させ、麺と一緒に空気やスープの微小な飛沫を一気に喉の奥へ引き込む状態を作り出します。
通常、食べ物を飲み込む瞬間は喉頭蓋(こうとうがい)と呼ばれるフタが気道を瞬時に塞ぎ、食道へと誘導します。しかし、麺をすすりながら息を吸い込む動作が重なると、フタが閉まりきる前に液体や刺激成分が気管の入り口に触れてしまいます。気管の粘膜は異物に対して極めて敏感であり、侵入を防ぐ生体防御反応として激しい咳反射が引き起こされるわけです。
特に熱いスープや唐辛子・胡椒などの香辛料、酸味の強いスープは、喉の知覚神経(迷走神経の分枝)をダイレクトに刺激するため、わずかな飛沫でも激しくむせる引き金になります。