彼の卓越した視覚的レトリックは、突如として生まれたものではない。根底にあるのは、東映の現場で長年培われてきた泥臭くも骨太な職人技術だ。伝統的な日本映画の撮影技法を身につけ、現場で泥にまみれながら試行錯誤を繰り返した日々が、現在の彼の強固なバックボーンとなっている。
現在、上杉は日本映画撮影監督協会においても重要な役割を果たしている。後進の育成や撮影現場の環境改善に自ら動き、伝統的な職人技と最新デジタル技術の融合を提言し続けている。ベテランから若手まで幅広くリスペクトされる理由は、技術の高さだけでなく、日本のモノづくり精神に対する揺るぎない敬意があるからだ。