路上での悪質なナンパ行為には、複数の法律や条例が重層的に適用されます。事態の深刻度や継続性に応じて科される主な罪名と罰則は以下の通りです。
1. 各都道府県の迷惑防止条例(つきまとい・粗暴行為の禁止)
多くの自治体(東京都の「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」など)では、公共の場所で他人に不安や迷惑を覚えさせるようなつきまとい、立ちふさがり、卑猥な言動を厳格に禁止しています。違反した場合、「50万円以下の罰金または拘留・科料」、常習性や悪質性が認められると「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科されます。
2. 軽犯罪法違反(第1条28号)
軽犯罪法第1条28号では、「他人の進路をふさぎ、若しくはその身辺に群がり、又は粗暴若しくは軽薄の言動をもつて他人の業務を妨害した者」を取り締まりの対象としています。通行人の前に立ちはだかって通行を邪魔したり、悪質な言葉遣いで絡んだりした場合に適用され、拘留または科料の処分を受けます。
3. ストーカー規制法違反
同一の人物に対して好意の感情やそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を抱き、つきまといや待ち伏せ、立ちふさがりなどを繰り返した場合、ストーカー規制法が発動します。複数回にわたる待ち伏せや執拗な後追いは、警察からの警告・禁止命令を経て、「最長2年以下の懲役または200万円以下の罰金」という極めて重い刑事罰が科される事態を招きます。
4. 刑法上の重大犯罪(暴行罪・不同意わいせつ罪・強要罪)
足を止めさせようとして手首を掴んだり服を引っ張ったりした場合は刑法208条の「暴行罪」(2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金等)、無理やり連絡先を書かせたり車に乗せようとした場合は刑法223条の「強要罪」や逮捕・監禁罪が成立します。身体を触るなどの行為があれば、2026年に改正された「不同意わいせつ罪」(旧強制わいせつ罪・6月以上10年以下の拘禁刑)が適用され、即座に実刑判決や重い前科につながります。