軒先で風にゆらゆらと揺れる赤と白の愛らしい姿。柳井のアイコンである「金魚ちょうちん」は、幕末の絵の具職人が青森のねぶたに着想を得て、伝統の柳井縞の染料を用いて作ったのが始まりとされる。竹ひごで組まれた丸みのある骨組みに、手描きで入れられる愛らしい黒目。一つとして同じ表情がないのが魅力だ。
夏の風物詩として知られる「金魚ちょうちん祭り」はもちろんのこと、現在では通年で街のシンボルとして親しまれている。さらに最近では、欧米やアジアのインテリアショップからのオファーも急増。地元の若手職人たちは、伝統技法を守りつつミニマルなデザインやアースカラーを取り入れた新作を発表し、伝統工芸の新しい可能性を世界へと切り拓いている。