買ってきたブロッコリーを洗う際、水道の水を直接ジャーと当てて満足してしまう人は少なくありません。しかし、水流を当てた瞬間に水滴が玉のようになって弾け飛ぶ様子を見たことがあるはずです。
この撥水性の正体は、ブロッコリー自らが乾燥や病気から身を守るために分泌している「ブルーム(果粉)」と呼ばれる天然の油脂成分です。人体には全く無害ですが、この強力なコーティングがあるせいで、上から水を流すだけでは密集した蕾(つぼみ)の内部まで水が一切侵入できません。
ブロッコリーの頭部は無数の小さな蕾が集まってできており、隙間には畑の土埃やアブラムシなどの微細な虫が入り込みやすい構造をしています。つまり、表面を水で流しただけでは「奥の汚れを閉じ込めたまま調理している」のと同じ状態になってしまうのです。
また、よくある間違いが「先に小房へ細かく切り分けてから洗う」という手順です。切った断面から水溶性ビタミン(ビタミンCや葉酸など)が水へ大量に流れ出てしまうだけでなく、切り口に奥の汚れが付着してしまうリスクがあります。栄養と衛生面の両方を守るためには、「切る前に丸ごと洗う」ことが鉄則です。