一方、京都最古の神社の一つである上賀茂神社もまた、馬との縁が極めて深い名社である。毎年5月に行われる「賀茂競馬(かもくらべうま)」は、天下泰平と五穀豊穣を祈願する伝統行事であり、現代の競馬の原型とも称される走馬の儀式だ。
歴史を紐解けば、天下人である徳川家康もまた馬の力を神聖視し、神社への寄進や保護を惜しまなかった。国家の興亡をかけた戦国時代、武将たちは馬の強健さと駿足さに命運を託したのだ。全国の神社を統括する神社本庁の記録にも、馬を神格化し戦運や国家の安寧を祈願してきた歴史が脈々と刻まれている。時を超えて受け継がれる祈りの文化は、現代の勝負師たちの心にも力強く響いている。