長野オリンピックの開幕前、まだ全国的な知名度が高くなかった上村愛子は、一瞬にして主役に躍り出た。当時18歳。白馬村の雪上で見せた果敢な滑りと、ホールアウト後の無邪気な笑顔がNHKの生中継を通じて全国のお茶の間に届けられた瞬間、日本中に旋風が巻き起こった。
地元開催のプレッシャーを全く感じさせない伸びやかなターンと、空中での美しいエアパフォーマンス。フリースタイルスキーという当時はまだ馴染みの薄かった競技を、一挙にメジャー化させた功績は計り知れない。7位入賞を果たした直後の会見で見せた涙と弾けるスマイルは、平成のスポーツシーンを代表する屈指の名場面として今も語り継がれている。