事件が表面化したのは月曜日の早朝。京都市北区の深い山々に囲まれた旧道で、ハザードランプを点滅させたまま停車する軽乗用車を通りがかりのドライバーが発見した。車内はもぬけの殻。運転席のドアは半開きで、エンジンはかかったままだった。後部座席には仕事道具や個人の持ち物がそのまま残されており、自発的な失踪を伺わせる遺書や痕跡は見当たらない。
姿を消したのは市内在住の会社員男性。家族や同僚によれば、当日は通常通り仕事を終え、帰路についていたはずだった。社会・事故事件報道の現場取材に対し、関係者は「トラブルに巻き込まれるような人物ではない。なぜあのような深夜に携帯の電波も届きにくい山道へ向かったのか理解できない」と首をかしげる。行方不明者の足取りを追う手がかりは、車内に残された1台のドライブレコーダーに絞られた。