復旧に向けた道筋はどうなっているのか、九十九湾遊歩道の復旧状況に目を向けると、能登半島全域にわたる生活インフラの再建が優先されるなか、海岸保全施設および自然歩道の修繕調査が段階的に進められています。海中ブロックの再据え付けや背後斜面の防護工には慎重な工法選定が必要であり、かつての姿を完全に取り戻すにはなお一定の歳月を要する見通しです。
こうした制約がある一方、能登町九十九湾の観光自体が完全に途絶えたわけではありません。見学可能エリアに絞った場合の九十九湾の散策コース所要時間は、従来の周遊ルート(約40分〜1時間)から短縮され、安全が担保された展望スペースや遊歩道入口付近の散策で約15分〜25分程度となっています。
この短時間散策であっても、九十九湾海中公園の見どころである透明度の高い海水、スズメダイやクロダイが泳ぎ交う水辺の情景、屈折に富んだ小湾が織りなす箱庭のような静謐さは健在です。日本百景の名に恥じない情緒豊かな海の息吹は、歩道の入口展望ポイントからでも存分に肌で感じ取ることができます。