ゆうちょ銀行の口座宛てに他行から振り込みを行う際、指定すべき金融機関コードは「9900」、そして店番038に対応する正式名称は「〇三八(ゼロサンハチ)店」です。ネットバンキングや振込明細の画面では、フリガナとして「ゼロサンハチ」と表記されます。
最大の疑問として浮上するのが、「なぜ日本の市中銀行のように地名ではなく、漢数字3文字なのか」という点です。日本郵政グループの開示資料や公社時代の移行記録によると、この特異な表記体系は2009年1月の全銀システム(全国銀行データ通信システム)接続に端を発しています。
民営化前の郵便貯金は、全国約2万4,000カ所の郵便局ネットワークをベースに、独自の「記号(5桁)」と「番号(最大8桁)」で顧客口座を管理していました。しかし、全国の民間金融機関が加盟する全銀システムは「3桁の支店コード」と「7桁の口座番号」を前提に設計されています。莫大な数にのぼる既存の郵便貯金口座に対して、新たに地名付きの支店を新設して割り当て直すことは、システム運用上も利用者の混乱防止の観点からも不可能でした。
そこで編み出されたのが、通帳記号の数字をそのまま3桁の店番号に連動させ、その読みを漢数字として表記するソリューションです。アラビア数字の「038」をそのまま支店名にすると他行のシステム上で文字種エラーを起こす恐れがあったため、文字コードとして安定している漢数字を採用しました。また、数字のゼロを「零」ではなく記号的な「〇(まる)」としたことで、視覚的にも3桁のコード体系であることが一目で判別できるように統一されています。
なお、口座発行エリアの観点から見ると、店番038(通帳記号103X0系)は主に埼玉県内の郵便局で新規開設された総合口座に多く割り振られています。ただし、実在する特定のビルや郵便局に「〇三八支店」という窓口が存在するわけではなく、あくまでデータ処理上の仮想店舗区分として機能しています。