事故直後、事態の収束を急ぐソ連当局は巨大なコンクリート構造物、通称「石棺」で破壊された4号機全体を力任せに覆い隠した。しかし、突貫工事で作られた石棺は次第に風化し、雨水の侵入や崩落の危険が指摘され始めた。内部に閉じ込められた「象の足」が再び雨水と接触して未臨界状態を破るのではないかという懸念は、国際社会の大きな課題となった。
この危機に対し、国際社会が協力して建設したのが巨大な可動式金属構造物新安全閉じ込め構造物(NSC)だ。高さ100メートル、幅250メートルを超えるこの超大型ドームは、老朽化した旧石棺ごと4号機全体を完全にすっぽりと覆い隠した。外気や水分の侵入を防ぐ防壁が完成したことで、ひとまず環境中へのさらなる放射性物質の飛散という最悪のシナリオは食い止められた。