この歴史的な味わいの礎を築いたのは、創業者の南山茂氏だ。1960年代に立ち上げられた株式会社キッチン南海は、都内各地に店舗を展開しながら、庶民に愛される洋食の味覚覚を築き上げた。なかでも神保町は、まさに聖地として多くのファンから特別な愛着を寄せられてきた。
2026年、建物の老朽化に伴い旧店舗が閉店を余儀なくされた際、街中には悲しみと惜しむ声が溢れた。しかし、その伝統の灯を消さないために立ち上がったのが、長年料理長として厨房を守り続けてきた近藤和比古氏だ。近藤氏は暖簾分けという形で近くの物件へ移転し、キッチン南海 神保町店を再始動させた。半世紀以上にわたり培われた技と魂は、新たな店舗へと確実に引き継がれている。