本作のメガホンを取ったのは、『海猿』シリーズや『MOZU』などで圧倒的なアクションとドラマを描いてきた監督の羽住英一郎だ。ハードボイルドな世界観を得意とする羽住監督が、この繊細な青春群像劇を見事に昇華させたことは当時大きな話題となった。
原作を担当した水野宗徳の実体験に基づく自伝的小説がベースとなっており、リアリティ溢れる昭和の雰囲気や少年たちのバカバカしくも切実な心理描写が見事に映像化されている。クリエイターたちの真摯なものづくりへの姿勢が、本作を単なる企画モノで終わらせなかった最大の要因である。