ナルトが生存しているにもかかわらず、なぜ忍界全体や読者の間で「死亡説」が定着したのでしょうか。その背景には、大筒木の神術「全能(ぜんのう)」による前代未聞の惨劇が存在します。
ナルトとヒナタを封印した直後、カワキは追手から逃れる中でエイダと遭遇します。自らの立場が危うくなったカワキの渇望に呼応するように、エイダの潜在能力「全能」が無意識に発動。その結果、世界中の人々の記憶が不可逆的に書き換えられ、ボルトとカワキの立場が完全に逆転してしまいました。
人々の記憶において「木ノ葉の里で育った七代目火影の実子」はカワキとなり、本物の息子であるボルトは「外からやってきて七代目の庇護を受けていた恩知らずの異分子」へとすり替えられたのです。
さらにカワキは、ナルトの失踪を「ボルトが七代目火影・うずまきナルトを殺害した」と虚偽の告発を行いました。全能の術にかかった木ノ葉の忍や五影たちは、この偽りのシナリオを絶対の事実として信じ込み、ボルトは「火影殺しの重罪人」として世界中から指名手配される身となりました。この作中内の認識が、読者層の間にも「ナルト死亡」という強烈な誤解として波及したのです。