カロリー制限を試みる人の多くが直面するのが「空腹感による挫折」と「基礎代謝の低下による体重の下げ止まり」です。これらを同時に打破する理論的根拠が、高タンパク・低脂質食に隠されています。ダイエット成功の理由を紐解く上で欠かせないのが「食事誘発性熱産生(DIT)」のメカニズムです。炭水化物のDITが摂取エネルギーの約6%、脂質が約4%にとどまるのに対し、タンパク質は約30%ものエネルギーが消化・吸収の過程そのもので熱として消費されます。つまり、同じカロリーを摂取してもタンパク質比率が高い食事ほど、実質的な摂取カロリーが目減りする計算になります。
さらに、筋肉量の維持は基礎代謝の低下を防ぐ生命線です。減量期間中はエネルギー不足を補うために筋肉が分解されやすくなりますが、十分なアミノ酸プールを体内に維持することで、筋肉を極力残しながら体脂肪のみを選択的に燃焼させることが可能になります。ここで極めて重要なのが、個々人に合わせたPFCバランス計算方法の把握です。
減量を目的とする場合、タンパク質(P)は体重1kgあたり1.5〜2.2gを確保し、総摂取カロリーの25〜30%に設定します。一方、脂質(F)はホルモンバランスや細胞膜の健康を保つ最低限のラインとして、総カロリーの15〜20%(1日あたり30〜45g程度)まで絞り込みます。残りのカロリーをエネルギー源となる低GIな複合炭水化物(C)から補うのが、代謝を落とさずに体脂肪を削る黄金比率です。