家族社会学や心理学の知見を踏まえると、男性が浮気に走る動機は単なる「肉体的欲求」だけに還元できるものではありません。取材やカウンセリングの現場で浮き彫りになるのは、複雑に絡み合った深層心理です。
心理学で指摘される「モラル・ライセンシング(Moral Licensing)」という現象があります。これは「普段、仕事で家族を養い、社会的な責任を十全に果たしているのだから、少しくらいの息抜きや冒険は許されるはずだ」と無意識に自分を正当化してしまう心理機制です。
また、長期的なパートナーシップにおいて「一人の男性」として見られなくなり、「生活の共同管理者」「父親」としての役割ばかりを求められることに対する寂しさや、承認欲求の渇望も大きな要因です。職場や家庭でのストレスから一時的に逃避し、自分を無条件に肯定してくれる存在を外に求めた結果、浮気という形をとってしまうケースが後を絶ちません。