現在でこそトップクリエイターとして盤石の地位を誇るセイキンですが、そのスタートは華々しいものではありませんでした。音楽系専門学校を卒業後、一般企業に就職したセイキンは、過酷な営業職の日々に追われ、精神的・肉体的に擦り切れる日々を過ごしていました。
転機となったのは2012年。すでにヒューマンビートボックス動画などで頭角を現し、専業YouTuberへの道を切り拓きつつあった弟のヒカキンが、疲弊する兄の姿を見かねて「兄ちゃんもYouTubeをやってみないか」と声をかけたことでした。
弟の自著や過去のインタビュー取材でも明かされている通り、ヒカキンは単に口頭で勧めるだけでなく、自ら選んだ撮影用ビデオカメラと編集機材一式を兄にプレゼントしています。兄の歌唱力やマルチな才能を誰よりも信じていたからこその行動でした。
2012年に公開されたセイキンの初投稿動画「Morning Routine(朝のルーティン)」のアカペラ動画は大きな反響を呼び、その後、丁寧なレビュー動画や実験動画、ゲーム実況へとコンテンツの幅を拡大。兄弟でありながら互いの個性を侵害せず、独自の世界観を確立していった背景には、黎明期における弟からの無償のリスペクトと、それに応えた兄の愚直な努力がありました。