発射台を抱える鹿児島県南種子町(みなみたねちょう)の日常も、大きな変化の渦中にある。打ち上げ期日が近づくと、島内の主要道路には全国各地のナンバーを付けた車や、テレビ局の中継車が激しく行き交う。地元食堂の名物「安納芋」を使った料理や、ロケットにちなんだ限定メニューを求める観光客で街は連日賑わう。
宿の確保は至難の業だ。町内のホテルや民宿は、予約受付の開始と同時に埋まる。これを受け、農家民泊や移動式トレーラーハウスを活用した新しい宿泊スタイルも定着し始めた。「延期のリスクがあっても、この瞬間を現地で体験したい人が集まる」。地元観光協会の担当者は手応えを語る。一過性のイベントを超え、年間を通じた観光資源へと進化を遂げつつある。