立正佼成会の歴史を紐解く上で、1938年の開教に立ち会った開祖・庭野日敬と脇祖・長沼妙佼の存在は外せない。二人は法華経の教えを分かりやすく噛み砕き、「サンガ(教団組織)」による対話形式の法座を通じて、市井の人々の悩みに寄り添うことで組織を爆発的に拡大させた。
やがて長沼の他界と庭野日敬の長年の指導を経て、長男である庭野日鑛へと会長職が継承されると、教団のカラーは大きく変化する。庭野日鑛会長は、組織の急拡大期に見られた過剰な熱量を抑え、より深く思索的な仏教信仰と平和運動への傾斜を強めた。信者数という目に見える数字の拡大を追うのではなく、個々人の心の開拓を目指すこの路線変更が、結果として統計上の数値減少を受け入れる土壌を作ったとも分析される。