かつて韓国全土を揺るがした「不買運動(ノージャパン)」の熱狂は、今や過去の遺物となりつつある。2019年のあの激しいボイコットから数年、現在のソウルや釜山では、日本ブランドのビールやアパレルが日常に溶け込んでいる。政治的なスローガンが個人のライフスタイルを縛る時代は終わり、むしろ「日本に行かない方が損」という実利的な空気が支配的だ。
この変化は急激だった。コロナ禍の収束と同時に堰を切ったように始まった訪日ブームは、2026年現在も衰える気配を見せない。かつて街頭でプラカードを掲げていた若者たちが、今ではスマホを片手に京都の路地裏で写真を撮っている。このギャップこそが、日本側の視点から見ると不思議でならない現象の正体だ。