小田氏治が生きた戦国時代の中東部は、群雄が割拠する屈指の激戦区だった。圧倒的な軍事力を誇る越後の軍神・上杉謙信や、相模から勢力を伸ばす智勇兼備の雄・北条氏康といった怪物たちと直接刃を交えたのが、常陸小田氏の当主であった氏治だ。
大勢力のはざまに挟まれた小大名として、策を講じては破れ、同盟を結んでは裏切られる凄絶な政治劇。最強のライバルたちと渡り合いながらも、どこか憎めない愛嬌と執念で乱世を生き抜く姿は、スペクタクルな戦闘シーンと濃厚な人間ドラマを両立させる絶好の題材といえる。強大な敵に立ち向かう地方豪族の葛藤は、歴史ファンならずとも胸を打つシーンの連続となるはずだ。