自民党の歴史を振り返ると、総裁選は常に時代の転換点となってきました。地方党員票の圧倒的支持で圧勝した小泉純一郎氏、野党からの政権奪還を果たした安倍晋三氏、派閥の幅広い合意を取り付けた岸田文雄氏、そして党員票と決選投票の激闘を制した石破茂氏など、歴代総裁の一覧にはそれぞれの政治情勢を映し出す個性的な有力候補者の経歴が刻まれています。
ここで混同されやすいのが、「自民党総裁選挙」と「首相指名選挙(首班指名選挙)」の違いです。総裁選はあくまで自由民主党という一政党のトップを決める私的結社の選挙手続きです。これに対して、首相指名選挙は日本国憲法第67条に基づき、国会(衆議院・参議院の本会議)で行われる公的な首班指名手続きを指します。
自民党が衆議院で単独過半数を獲得している、あるいは連立与党として安定多数を確保している場合、総裁選の勝者が国会の首相指名選挙で確実に内閣総理大臣へと選出されます。しかし、連立政権の枠組みや国会の勢力図によっては、他党との連立合意や政策協定の成否が首相指名の行方を左右することもあります。