映画『トイ・ストーリー2』の劇中歌『ホエン・シー・ラヴド・ミー』において、多くのファンが最初に驚くのが「セリフを担当する声優」と「挿入歌を歌う歌手」が明確に分かれているというキャスティングの事実です。
アニメーション映画においてキャラクターの心情を歌い上げる際、セリフ声優がそのまま歌うケースも珍しくありませんが、ピクサー制作陣と音楽プロデューサーは、このシーンの情緒的純度を極限まで高めるため、ボーカルの表現力に特化した専門のアーティストを抜擢しました。
原曲の英語版でボーカルを務めたのは、カナダ出身のグラミー賞受賞シンガーソングライターであるサラ・マクラクラン(Sarah McLachlan)です。彼女の透明感と哀愁を帯びたウィスパーボイスは、持ち主の少女に忘れ去られていくジェシーの孤独と痛切な哀しみを完璧に具現化しました。なお、英語版のジェシーのセリフ声優は、名女優ジョーン・キューザック(Joan Cusack)が担当しています。
一方、日本中のファンを涙させた日本語吹き替え版の歌唱を担当したのは、スタジオミュージシャンやコーラスとして日本の音楽界を支えてきた実力派シンガーの大木理紗(おおき りさ)です。大木理紗は、ゲーム音楽の金字塔『ファイナルファンタジー』シリーズのボーカルコレクションや、数々のアニメ・CMソングで圧倒的な歌唱力を披露してきたベテランボーカリストです。彼女の包容力に満ちた歌声は、日本語の叙情的なニュアンスを見事に引き出しています。ちなみに、日本語吹き替え版でジェシーのセリフを担当したのは女優の日下由美です。