フライパンで焼きナスを簡単に美しく仕上げる成否は、焼く前の「下ごしらえ」で8割が決まるといっても過言ではありません。包丁の刃先をほんの少し入れるひと手間で、加熱後の皮剥きストレスは完全に解消されます。
まず、ナスのヘタの周りにあるトゲのある「ガク」を包丁でぐるりと一周削ぎ落とします。ヘタの先端は掴みしろとして残しておくと、後で皮を剥く際の持ち手になります。続いて、ナスの縦方向に深さ1〜2ミリ程度の浅い切り込みを4〜6本等間隔で入れます。このスリットが加熱時の蒸気抜き穴となり、皮が破裂するのを防ぐと同時に、加熱後に皮が縦に裂けるガイドラインの役割を果たします。
焼き上がった直後の熱いナスを素手で剥こうとすると火傷の危険があり、氷水に長時間浸すと水っぽくなって旨味が流出してしまいます。現場のプロが推奨する裏技は「ラップやアルミホイルで包んで1〜2分蒸らし、爪楊枝を皮と実の間に差し込んで滑らせる」方法です。蒸気の力で皮と果肉の間に隙間ができているため、爪楊枝をスーッと引くだけで、驚くほど滑らかに皮がめくれていきます。