総本家更科堀井の真骨頂は、素材の選定と卓越した職人技術によって生み出される看板料理の数々にあります。訪れた際に絶対に味わっておくべき代表メニューの魅力を紐解きます。
1. 純白の芸術「さらしなそば」
玄そばの実の中心部(胚乳の芯にある「御膳粉」)だけを贅沢に抽出して打たれる純白の蕎麦です。100kgの玄そばからわずか15〜20kg程度しか取れない希少な粉を熱湯で素早く練り上げる湯捏ね(ゆごね)製法によって打たれます。ほのかな甘みとつるりとしたシルクのような喉越しは、一般的な蕎麦の概念を覆す優雅さです。
2. 四季を五感で楽しむ「変わりそば」
純白のさらしな粉に季節の天然素材を打ち込んだ変わりそばは、更科堀井の代名詞です。春の桜や木の芽、初夏の紫蘇(しそ)や笹、秋の菊や柚子、冬の春菊など、月替わり・季節替わりで鮮やかな色彩と豊かな香りが楽しめます。職人の確かな技術がなければ麺が切れてしまうため、熟練の腕があってこそ成立する逸品です。
3. 太白胡麻油で揚げる至高の「小海老のかき揚げ」
名脇役として外せないのがかき揚げです。焙煎せずに生の胡麻を圧搾した最高級の「太白胡麻油」を贅沢に使用して揚げられています。胡麻特有の強い香りや重さが一切なく、素材本来の香りとプリッとした小海老の甘みが口いっぱいに広がります。サクサクと軽快な食感で、冷めても油が浮かない仕上がりは圧巻です。
4. 出汁のコクと脂の旨味が溶け合う「鴨せいろ」
濃厚なつゆを好む方におすすめなのが鴨せいろです。香ばしく焼き目をつけた葱と上質な合鴨の旨味が濃縮された温かいつゆに、冷たい蕎麦をくぐらせて食します。力強い鴨のコクに負けない秘伝の返しが効いており、蕎麦湯で割って最後の一滴まで飲み干したくなる完成度を誇ります。