インターネット上の掲示板やSNSでは、この楽曲に関して長年囁かれ続けているいくつかの誤解が存在します。事実関係を検証し、正確な歴史的コンテクストを整理しておきましょう。
最大の誤解は、90年代カルチャーに親しんだ世代を中心に見られる「『朝まで踊ろう』はMi-Keのオリジナル曲である」という思い込みです。前述の通り、本作は1977年の舘ひろしによるソロデビュー曲であり、Mi-Ke版は15年の時を経て制作されたカヴァー作品です。この誤認が生まれた背景には、Mi-Ke版のプロデュースを手掛けたのが原曲作曲者の長戸大幸本人であり、グループの持つ60年代オールディーズ風ガールポップの世界観にあまりにも自然に融合していた点が挙げられます。
また、朝まで踊ろう 歴代カバーの広がりについても見落とされがちです。舘ひろし自身も後年のベスト盤やライブにおいて、より大人の色香を漂わせたアコースティック・バージョンやジャズアレンジでセルフカヴァーを重ねてきました。さらに、キャバレー歌謡やネオ・ロカビリーのバンド、昭和グルーヴを標榜する現代のインディーアーティストに至るまで、公式・非公式を問わず数多くのオマージュやカヴァーが制作されてきました。この重層的なカヴァー史こそが、楽曲の生命力を証明しています。