大量発生時に住民が最も懸念するのが「刺されるのではないか」「毒があるのか」という点です。ドクガ科に属しているため強力な毒針毛(どくしんもう)を持つチャドクガと混同されがちですが、マイマイガの毒性プロファイルには明確な特徴があります。
結論から言うと、マイマイガが毒針毛を持つのは「卵から孵化した直後の1令幼虫(体長約5mm以下)」の時期だけです。この極めて初期の幼虫に素手で直接触れてしまうと、赤みやかゆみを伴う皮膚炎を引き起こす恐れがあります。しかし、幼虫が脱皮して2令幼虫以降(体長1cm以上)に成長すると毒針毛は消失し、以後は毒を持ちません。
終齢幼虫になると体長6〜7cmに達し、黒地に青と赤の鮮やかな斑点を持つ威圧的な毛虫になります。見た目は非常に毒々しいものの、この段階の幼虫に毒性はありません。ただし、剛毛が皮膚に刺さることで物理的なチクチク感や軽度の機械的刺激による発赤が生じるケースはあります。
成虫(蛾)および産み付けられた卵塊についても、毒針毛は存在しません。しかし、成虫の翅(はね)にある細かな鱗粉(りんぷん)や、卵塊を覆っているメスの腹部の体毛が皮膚や粘膜に付着すると、体質によっては強いかゆみ、湿疹、アレルギー性の皮膚炎、眼の結膜炎を引き起こす場合があります。毒がないからといって無防備に素手で触れるのは絶対に避けるべきです。