菊地亨というキャラクターを印象づけたのは、何と言ってもあの黒髪パーマのビジュアルと、クールさと茶目っ気が同居した佇まいだ。千秋真一率いる「Sオケ」や「R☆Sオケ」の中で、チェロパートの絶対的エースとして君臨しながらも、どこか憎めない愛嬌を振りまく姿は視聴者の心をとらえた。
自信家でありながら音楽に対しては真摯。そして女性には目がないという多面的なキャラクターを、新人離れした自然体の演技で体現した向井理。彼が醸し出すスマートさと、どこか掴みどころのないミステリアスな空気感は、菊地亨という役に奇跡的なハマり具合を見せた。まさに彼の役者人生における大きな飛躍の原点となったパフォーマンスである。