空の機嫌に最も敏感なのは、大地と生きる農家たちだ。みなべ町や田辺市を中心に広がる梅園、そして有田川流域のみかん畑では、近年の不規則な降雨パターンと気流の変化が収穫量や品質に直結する深刻な課題となっている。
春先の開花期における予期せぬ長雨や、収穫直前の雹(ひょう)、さらには夏の極端な乾燥など、従来の気象データだけでは対応しきれない事態が増えた。これに対し、先進的な農家らは微小な気象センサーを農地に設置し、局地的な温度・湿度の変化をリアルタイムでモニタリングする試みを加速させている。伝統の味を守るための戦いは、気象ビッグデータの活用という新たな局面に入った。