鳥貴族の創業者であり、現在は持株会社である株式会社エターナルホスピタリティグループの代表取締役社長CEOを務める大倉忠司氏。そしてその長男として生まれた大倉忠義。二人の関係が世間に広く認知された当初は、「大企業の御曹司がジャニーズ(現STARTO ENTERTAINMENT)に入所した」という文脈で語られることが少なくありませんでした。しかし、その認識は時系列としての実態を大きく見誤っています。
大倉忠司氏が大阪府東大阪市に「鳥貴族」の第1号店(俊徳店)を開業したのは1985年5月のことです。大倉忠義が誕生したのもまさに同じ1985年5月であり、まさに鳥貴族というブランドの誕生と息子の生誕は完全に軌を一にしています。当時の鳥貴族は、現在の東証プライム上場企業のような巨大外食チェーンではなく、わずか9坪・27席の小さな個人居酒屋に過ぎませんでした。
父親である忠司氏の経歴を振り返ると、高校卒業後に辻調理師専門学校へ進み、有名ホテルや大手焼き鳥チェーンでの厳しい下積みを経て独立しています。開業当初は赤字続きで資金繰りに奔走し、自宅兼店舗のような生活環境の中で必死に厨房に立ち続ける毎日でした。大倉忠義本人が過去のドキュメンタリー番組や手記で振り返っているように、「幼少期は決して贅沢な暮らしではなく、父が汗水垂らして働く背中を見て育った」というのが偽らざる真実です。
忠司社長の家庭教育方針は徹底して「自立」に重きを置いていました。「お小遣いは自分で稼ぐもの」という方針のもと、大倉忠義は中学生になると自ら新聞配達のアルバイトを経験し、実家の店舗でレジ打ちや皿洗いの手伝いをして工面していました。「親の経済力に甘えさせない」という厳格な育て方が、後に過酷な芸能界の下積みを耐え抜く強靭な精神力の土台となったことは疑いようがありません。