内科的・婦人科的な異常が排除された場合、痛みの主座は筋骨格系にあります。特に「椅子から立ち上がるとき」「片足に体重を乗せて歩行するとき」に右の臀部から骨盤の外側・後方がズキズキ痛む場合、歩くと右の骨盤が痛い原因の最右翼は「仙腸関節障害」です。
仙腸関節は骨盤の仙骨と腸骨をつなぐ関節で、わずか数ミリメートルしか可動しませんが、上半身の体重を支えて歩行時の衝撃を逃すクッションの役割を果たしています。中腰での作業、出産による靭帯弛緩、片足重心の癖によって仙腸関節に微小なズレや機能障害が生じると、周囲の神経を刺激して強い関連痛を放散します。
仙腸関節障害の症状と治し方について、医療機関では徒手テスト(パトリックテストやニュートン・テスト)や局所麻酔薬を注入する仙腸関節ブロック注射で診断と治療を兼ねて実施します。保存療法としては、骨盤の安定性を高める専用骨盤ベルトの装着、AKA-博田法(関節運動学的アプローチ)を取り入れた理学療法が有効です。
骨盤の歪みセルフチェック法
自身の姿勢やバランスの崩れを把握するため、自宅で簡単に行える骨盤の歪みセルフチェックを活用できます。
- 脚長差チェック:仰向けに寝て両足を伸ばした際、左右のくるぶしの位置や足先の開き角度に極端な左右差(右だけ外側に大きく倒れているなど)がないか確認する。
- 片脚立ちテスト:両手を腰に当てて右足だけで30秒間フラつきなく立てるか試す。右骨盤が下がったり痛みで支持できない場合は支持筋の弱化が疑われる。
- 上前腸骨棘の高さ:鏡の前でまっすぐ立ち、骨盤左右の出っ張り(上前腸骨棘)の高さに目視できるレベルの段差がないか確認する。