インターネットの普及は、利他行動のハードルを劇的に下げた。かつては募金箱に小銭を入れる程度だった個人の善意が、今や数タップで地球の裏側の誰かを救う資金に変わる。ウィキペディアの執筆やオープンソースコードの開発など、見返りを求めない無償の貢献がデジタル空間を支えている。
この現象は「デジタル・アルトリュイズム」と呼ばれる。アルゴリズムが対立を煽るSNSの影で、名もなき人々が知識やスキルを無償で共有し合うエコシステムが予測を超えるスピードで拡大している。怒りと分断のカウンターカルチャーとして、ネット上の利他主義が静かに機能し始めているのだ。