事件直後から捜査本部が突き詰めたのは、あまりにも突発的で自己完結的な凶行の裏にある動機の解明だった。押収された私物や自宅の捜査資料、そして近隣住民や親族の膨大な証言記録から見えてきたのは、長年にわたり社会との接点を自ら断ち切り、自宅の部屋に閉じこもり続けた男の歪んだ鬱屈である。
岩崎隆一は幼少期に両親が離婚し、川崎市内にある伯父伯母の家庭に引き取られて育った。従姉妹たちとの接し方や家庭内での扱いに強い不満と孤立感を募らせ、成長とともにその感情は根深い被害妄想へと変質していったとされる。仕事に就くこともなく、80代の伯父夫妻と同居しながら部屋に閉じこもる日々。買い物や食事の調達以外で人と会話することは皆無に等しかった。
テレビやゲームに没頭する一方で、自らの不遇な境遇をすべて他者や社会のせいへと転嫁していったプロセス。捜査関係者の証言によれば、自暴自棄の末に「自分だけが惨めに終わるのではなく、社会に大きな衝撃を与えて道連れにする」という身勝手極まりない思想が醸成された最新の検証レポートが、悲劇の構図を浮き彫りにしている。