「週刊御意見番」を取り巻く情報の中には、長年のネットミーム化によって事実と異なる解釈が定着してしまったケースが少なくありません。読者が誤認しやすい代表的な3つの誤解を検証します。
第一の誤解は、「張本勲氏はメジャーリーグや他競技の選手をすべて見下していた」という言説です。確かに張本氏は日本人選手の米球界挑戦に対して慎重な姿勢を崩さず、ときに厳しい言葉を投げかけましたが、イチロー氏の安打記録更新や大谷翔平選手の二刀流での大活躍に対しては、スタジオで立ち上がらんばかりの勢いで「あっぱれ!」を連発していました。事実、大谷選手が前人未到の記録を打ち立てた際には「私の記録なんか問題じゃない、大谷翔平は別次元の天才だ」と公の電波で脱帽しています。張本氏の苦言の根底にあったのは、「日本プロ野球(NPB)という自らの原点が空洞化してしまうことへの危機感」であり、単なる海外蔑視ではなかったのです。
第二の誤解は、「上原浩治氏は一度も『喝』を出していない」という認識です。上原氏は就任当初から「僕は基本的に喝は出しません。選手はみんな必死にやっていますから」と公言していましたが、決して「喝」を完全封印したわけではありません。審判に対する明らかな暴言や、怠慢な走塁・緩慢な守備といった「プロとしてファンに見せてはならないプレー」に対しては、毅然とした態度で「これは喝ですね」とプレートを出しています。ただし、張本氏のように感情的に叱責するのではなく、「なぜそのプレーが危険なのか、なぜチームに悪影響を及ぼすのか」を論理的に解説する点が決定的に異なります。
第三の誤解は、「関口宏氏と張本勲氏の不仲説」です。放送中、関口氏が張本氏の発言をやんわりと窘めたり、怪訝な表情を浮かべたりする場面が切り抜かれてネット上で拡散されたため、両者の確執が噂された時期がありました。しかし、番組関係者の証言によると、両者は私生活でも深い信頼関係で結ばれており、関口氏の絶妙なツッコミは張本氏の暴走をエンターテインメントとして着地させるための緻密な司会術でした。長年培われた阿吽の呼吸があったからこそ、あの緊張感あふれる生放送が成立していたのです。