タイパ(タイムパフォーマンス)を追い求め、最短ルートで成功を手に入れる。そんなライフハックがもてはやされたのは過去の話だ。生成AIがあらゆる知的作業を代替するようになった現在、人間が直面しているのは「簡単に答えが出ることへの飽き」と「思い通りにならない現実への耐性の低下」である。
何でも効率よくこなせる社会になったはずなのに、心はいつも疲弊している。このパラドックスの正体こそが、逆境を乗り越える力、すなわち「レジリエンス」の欠如だ。失敗を避けるあまり、打たれ弱くなった現代人にとって、今最も必要なのはスマートなスキルではなく、何度転んでも起き上がるしなやかさなのだ。