「連絡先を聞いて090だと、あ、世代が上だなと察する」「取引先の役員が090だとベテランの安心感がある」——SNSやネット掲示板では、携帯番号の先頭3桁から相手の年齢を推測する書き込みが後を絶ちません。かつてX(旧Twitter)などで「090はおじさん、080は中堅、070は若者」というフレーズが拡散され、定説のように語られる場面が増えました。
この噂が生まれた背景には、日本の携帯電話の普及プロセスが密接に関わっています。1990年代後半から2000年代初頭の携帯電話黎明期に契約を結び、番号ポータビリティ(MNP)を利用して一度も番号を変えずに使い続けている層は、現在40代から60代以上のベテラン世代に集中しています。青春時代や社会人初期から同じ番号を維持していることが、「090=ベテラン・中高年」というイメージを強固にしました。
しかし、現在の契約事情を精査すると、この法則は必ずしも成り立ちません。通信キャリアでは解約された電話番号を一定期間寝かせた後、新規契約者へ再割り当て(リサイクル)しています。そのため、初めてスマートフォンを持つ中高生や大学生に090番号が割り振られるケースは日常茶飯事です。ネット上の反応を見ても、「高校生の子どもの新規契約番号が090だった」「格安SIMを契約したら090が届いた」という声が多数を占めており、「090だから持ち主はおじさん」と決めつけるのは実態と大きく乖離しています。