一般的にロックミュージックは欧米で誕生したが、日本国内で発展した「邦楽ロック」は独自のアプローチでその音像を磨き上げてきた。洋楽ロックが主にビートの強靭さやリフのグルーヴを重視するのに対し、日本のシーンではヴォーカルラインのメロディアスさと歌詞の叙情性が最優先される傾向が強い。
90年代以降、グランジやオルタナティヴ・ロックの潮流が海外から押し寄せた際も、日本のバンドたちはその重厚なギターサウンドを愚直に模倣するのではなく、歌謡曲的な美旋律と巧みに融合させた。激しい歪みペダルの音の裏に流れる切ない旋律——この対比こそが、海外のロックファンをも唸らせる日本独自のアプローチを生み出したのだ。