昭和初期から30年代にかけて、大分市春日浦は県下随一のレジャースポットとして名を馳せていました。別府湾の穏やかな波と遠浅の美しい砂浜、海岸線沿いに生い茂る松林が織りなす景観はまさに絶景で、「春日浦海水浴場」にはシーズンになると連日多くの家族連れや若者が詰めかけました。
当時、海岸沿いを走っていた大分交通別大線の車窓からは、どこまでも続く青い海とパラソルが並ぶ砂浜が見渡せ、多くの大分市民にとって夏の風物詩となっていました。海の家で味わったかき氷の味や、砂浜で拾った貝殻の記憶は、当時を知る世代の脳裏に今も鮮明に焼き付いています。大分市街地から路面電車ですぐに行けるアクセスの良さも手伝い、単なる景勝地にとどまらず、都市生活に潤いを与える貴重な空間として愛されていたのです。