「リリアンで作れるものは紐だけと思っていませんか?」――この長年の先入観は、昨今のハンドメイド界隈の潮流を見れば一瞬で覆されます。海外で「フレンチ・ニッティング(French Knitting)」や「アイコード(I-cord)」として親しまれてきた中空のニットチューブ構造が、現代的なデザイン文脈と融合し、驚くほど実用的な作品へと昇華されているのです。
特にSNSや写真共有プラットフォームを中心に爆発的な支持を集めているのが「ウールレター」です。編み上げたリリアンの空洞にアルミワイヤーを通し、英文字や星、ハートなどの形状に曲げて作るこのアイテムは、赤ちゃんの月齢フォト(マンスリーフォト)やバースデーイベントの飾り付けとして定番化しました。ハンドメイドマーケットでは1点あたり1,500円〜3,500円前後で取引されるケースも珍しくなく、立派な実用アートピースとして成立しています。
さらに、編んだ紐を渦巻き状に縫い留めていく北欧テイストのコースターやポットマット、太めの毛糸を用いたクッションカバーなど、リビングを彩るファブリック製品への応用も定着しました。従来のリリアン糸(レーヨンやナイロンの極細糸)に縛られず、アクリル毛糸、ウール、メタリックコード、グラデーションヤーンなどを自由に選定できるようになったことが、作例の幅を爆発的に広げた要因です。