鼻をすするという動作は、鼻腔内に強力な陰圧(引っ張る力)を生み出す。この急激な圧力変化が耳管を通じて耳の奥へと伝わると、鼓膜が内側に強く引き込まれてしまう。繰り返される強烈な吸引力は、耳の奥にある繊細な組織を傷つけ、慢性的な耳閉感や聴力低下をもたらす直接的な要因となる。
さらに症状が進行すると、中耳に液体が溜まる滲出性中耳炎を発症するリスクが飛躍的に高まる。通常、中耳は気圧の変化に耐えられるよう自動調整されているが、連続した鼻すすりによって耳管機能が不全に陥ると、鼓膜が中耳の壁に張り付く難治性の病態へと移行する危険性すら指摘されている。