エンターテインメントの現場においても、高齢者の無謀さを巡る描写は大きな進化を見せている。その象徴的な事例が、鬼才・北野武監督が手掛けたコメディ映画『龍三と七人の子分たち』だ。引退した元ヤクザの老人たちが、現代のオレオレ詐欺グループに立ち向かう本作は、まさに「無茶な暴走」を物語の最大のエネルギッシュな原動力へと反転させた。
従来の枠組みであれば、年甲斐もない危険行為として周囲から呆れられるような行動が、スクリーン上では爽快な反骨精神として機能する。近年の現代ドラマでも、社会の隅に追いやられたシニア層が従来の「大人しくしているべき」という規範を打ち破るシナリオが増加傾向にある。愚行と英雄的行為の境界線を曖昧にすることで、映像作家たちは老いに対するステレオタイプに問いを投げかけているのだ。