X JAPANの楽曲制作は、妥協という言葉が一切存在しない狂気のプロセスだった。1曲のボーカル録音に数ヶ月を費やすことは日常茶飯事であり、YOSHIKIが納得するまでミリ秒単位のピッチやニュアンスの修正が繰り返された。スタジオ内には常に緊迫した空気が漂い、過酷な制作環境はメンバーの心身を極限まで追い詰めた。
特にフロントマンであるToshiにかかるプレッシャーは想像を絶するものだった。YOSHIKIの脳内に存在する理想の歌声を実現するため、何度も喉を枯らしながらマイクに向かい続けた。日本の音楽業界全体を見渡しても、これほどまでに美と完成度を徹底して追求したバンドは類を見ない。その狂気とも言えるこだわりこそが、何十年経っても色あせない名曲群を生み出す源泉となった。