無事に敷地へ搬入できたからといって、安心するのは早い。むしろ本当の戦いは設置したその日から始まる。屋外に野ざらしにされた鉄製品は、想像以上のスピードで風化が進む。特に旧日本国有鉄道時代に製造された鋼製車両は、定期的な塗り替えを怠ると数年で表面の塗膜が剥がれ、赤錆が浮き出てしまう。
また、窓枠のゴムパッキン劣化による雨漏りは日常茶飯事だ。車両内部のシートや床材が湿気で傷むのを防ぐため、定期的な換気と除湿機の稼働、そして数年に一度の全体塗装工事が必要となる。この維持費用は年間数十万円から、大規模補修時には百万円単位に及ぶ。車両を所有し続けるということは、終わりのないメンテナンスと向き合い続ける覚悟を意味している。