漫画の調査・閲覧を目的とする場合、国立国会図書館の東京本館以外にも、特徴の異なる複数の重要拠点を把握しておくと調査の幅が広がります。
東京都台東区の上野にある「国際子ども図書館」は、国立国会図書館の支部図書館であり、児童書や絵本、少年少女向け漫画のコレクションに特化しています。18歳未満の子ども連れでも入館できる閲覧室があり、明治期から現代に至る子ども向け漫画文化に触れることができます。
サブカルチャーやマニアックな漫画研究において外せないのが、明治大学が運営する「米沢嘉博記念図書館・現代マンガ図書館」です。評論家・米沢嘉博氏の旧蔵コレクションや内記稔夫氏の膨大な貸本漫画・雑誌・同人誌が集約されており、商業出版の枠組みから外れた自主制作誌(同人誌)や特典ペーパーなど、国会図書館ではカバーしきれない領域を保管しています。
過去には2000年代末に国主導のアーカイブ拠点として「国立メディア芸術総合センター」の設立が構想されたものの、予算や政治的議論の経緯から凍結された歴史があります。その後は文化庁の「メディア芸術データベース」と国立国会図書館の連携強化、民間大学や美術館との分散型アーカイブネットワークによって、漫画文化を保存・継承する取り組みが進められています。