成長とともに生活環境が変わると、かつての確執は新たな相貌を見せる。それが大人になって直面する「格差」問題だ。学歴、就職先、年収、結婚相手の家庭環境、子供の受験結果――。かつて同じ屋根の下で暮らしていた兄弟だからこそ、生じた差分が苛立ちや優越感の源泉となる。
「弟は大手企業で高給を取り、自分は厳しい経済環境にある」「姉は裕福な家庭に嫁ぎ、自分は孤独な生活を送っている」。こうした現実的な格差は、幼少期の劣等感を再び激しく刺激する。連絡を取る頻度が減り、法事などの親族の集まりすら苦痛になる。お互いの近況報告がいつしか探り合いとなり、最終的には疎遠を望むようになるのも自然な流れと言える。